私たちの生活にはストレスがつきものです。職場のみならず、家庭を含めた日々のストレスをため込みすぎてしまうと、心や身体にさまざまな影響が生じてしまいます。
自分なりのストレス解消法や気持ちの切り替え方を見つけることが大切であることは、誰しもが認識されていることと思います。
ストレスに対処するための初手としては、
自分にとってのストレス要因に気づく、観察する(セルフモニタリング)
対処法を考えること(ストレスコーピング)
この2つが必要です。
ストレスマネジメントと聞くと少し難しく考えてしまう方もいるかもしれませんが、実はその対処法(コーピング)はとてもシンプルです。
例えば、
好きなものや人を思い浮かべる
お気に入りの1曲を聴く
ちょっと高級なお菓子を食べる
毛布に包まる
トイレにこもる
癒しの画像をスマホで調べる etc…
ストレスを感じたときにはこれ!と決めた行動を実行し、それを習慣化する、といったアプローチを行います。しかも、お金をかけずに手軽に、すぐに実行できる内容ほど、いざという時の「自分助け」に活躍してくれる心強いお守り・切り替えスイッチになります。
そのためには、自分のストレスを客観的に見つめることが大切です。
そこで、まずはストレスマネジメントに不可欠な「セルフモニタリング」の取り組み方についてご紹介します。
①ストレス体験:
ストレスを感じた出来事について、その状況をなるべく具体的に記入します。
②ストレッサー:
そのストレスを引き起こした原因はこれだと、ご自身が思う要因を①の出来事の中から探して書き出します。
③認知(自動思考):
人の認知には何かの出来事があったときに瞬間的に浮かぶ考えやイメージがあり、それは「自動思考」呼ばれています。頭に浮かんできた考えを思い出し、書いてみましょう。
④気分・感情:
ストレス状況で感じた気持ち・感情を書き出します。
⑤身体反応:
身体に起こった・感じた反応があれば挙げてみましょう。
⑥行動:
その状況を受けて、どのような行動をしたか書き出します。もし何も行動できずに我慢したり、する余裕がなかった場合はそれも記入しましょう。
上記のように自分のストレスをじっくり観察し、まとめます。
これを継続することで、自分がどのようなときにストレスを感じ、どのような反応があらわれるかなどが見えてくるようになります。
自分にとって効果的なコーピングはなにかを考えるうえで、この作業はとても役立ちますので、まずはご自身のストレスと向き合ってみてください。
自分なりのコーピングを見つける方法については、別記事でご紹介していますので、併せて参考にしていただければと思います。
〔参考文献・関連リンク〕
熊野宏昭・伊藤絵美・NHKスペシャル取材班 監修(主婦と生活社出版、2017年)
「キラーストレス」から心と体を守る!マインドフルネス&コーピング実践CDブック